石鎚北麓の家
外との繋がりを多彩に美しくデザイン
水田が広がり石鎚山系を遠望する、のどかで美しい風景の中に佇むA様邸。
敷地が南北に長く、風向きを調べると、ほぼすべての風が南北方向に吹くことが分かったそうです。
風向きと南側に広がる風景が考慮され、南北だけに開き、東西は閉じる設計になっています。
様々な大きさの筒状の部屋が、遠方の風景に照準を合わせるように並んでいます。
一番北側の車庫・エントランスから、中庭やリビングを介して、南側の水田までが見通せます。
風が抜け、視線が通ります。
内部から見えるのは、筒状の空間が額縁となり、切り取られた風景。見慣れた風景が新鮮に映し出されます。
筒状空間はそのサイズによって、開放性の度合いをコントロールされています。
つまり玄関や階段室は、間口を広く、奥行きを小さくすることによって「門」のように開放的になっています。
廊下や離れは、逆に細長く設定して、安堵感のある「トンネル」のような空間です。
上部から風を呼び込む階段室は、計画当初より「風の塔」と名付けらていました。
この「風の塔」はリビング、寝室と半透明の大型引戸で仕切られ、気候に合わせた風のコントロールと、
生活シーンに応じた空間の変化を可能にします。
また屋上には1年を通して18℃という地下水「うちぬき」を利用した灌水装置が夏の冷房用として設置されています。
地下水を屋上に敷いたフェルト状のマットに滲み渡らせるというものです。
土地の個性を活かし周囲の自然と建築が一体となる、魅力的な空間が創り出されています。
・主要構造:RC造+鉄骨造
・延床面積:193.22㎡
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